金唐紙とは
金唐紙とは、金属箔を施した和紙に、凹凸加工をつけ、上からワニス、彩色をして仕上げた壁紙のことです。
ルーツは、ヨーロッパの金唐革にあります。江戸時代、金唐革が日本にもたらされ、後に和紙を革に似せて加工する擬革紙という技術が発達します。明治時代になって、この擬革紙の技術を応用して、きらびやかな文様、彩色をして仕上げた壁紙、金唐紙が誕生しました。
入船山の金唐紙
入船山記念館内にある旧呉鎮守府司令長官官舎の洋館部には、5種類の金唐紙が使用されています。
・フラワーロード
幾重にも連なる花の文様です。長官官舎洋館部の廊下・エントランスの腰壁の壁紙に使用されています。
・花と流水文様
長官官舎洋館部応接所の金唐紙です。この金唐紙は、長官官舎時代から貼られています。
・草花と昆虫
入船山記念館を代表する金唐紙です。洋館部客室に使用されています。この壁紙だけで、14種類の昆虫がデザインされています。
・入船の森
洋館部食堂壁面の金唐紙です。いがぐりやどんぐりなどが描かれ、秋を思わせるデザインです。
・花幾何紋様
洋館部食堂・天井の金唐紙です。ライトがある中央列の金唐紙は、長官官舎時代から残る当初品です。
金唐紙の制作体験
入船山記念館では、年に1度、金唐紙の制作体験を行っています。